ER入院初体験!
初体験も何も、一度だけでもう十分なのですが、あの"ER"と言うものに入院して来ちゃいまいした・・・
せっかくなので、記録記録!

水曜日・夜中〜朝
草木も眠る丑三つ時。あまりのお腹の痛さに飛び起きる。
慌ててトイレへ走る。水様性下痢である。吐き気もする。
吐き気はするが、何とか水分補給。
とりあえずこの時は落ち着いたので再びベットへ入る。
しかし、これが悪夢の幕開けであった・・・

2時間後。再びお腹の痛みで目覚める。吐き気もある。
またトイレへ走る。 水様性下痢である。何とか水分を補給し
ベットへもぐりこむ。

30分後。再び腹痛。水様性下痢。水分を取る。

30分後。またまた腹痛。水様性下痢。水分補給。

30分後、30分後、30分後と同様のことの繰り返したところで
かいけパパが目覚める。その頃には、寒気も出てきて、とても仕事には行けそうに無い。
かいけのお送りや、お弁当を頼むことにする。
しかし、支度をしている途中、かいけパパにも同様の症状が・・・
何とかかいけと一緒に出勤するかいけパパ。

水曜日・朝〜夕方
家族が出かけてしまい、一人残されたかいけママ。
あまりの寒さにかいけパパの布団を拝借し、2枚の布団に包まる。
ここから15分おきに水様性下痢が襲ってきた。
吐き気があるが、水分を取らなければならないと思い、
夕べ煮出して冷ましてあった麦茶をヤカンごと手元に持って来た。
頭にくるくらい15分ごとに水様性下痢、水様性下痢、水様性下痢・・・

途中からはトイレに這って行って、ベットに這い登る状態。
電話で助けを呼びたいが、電話の番号を押すことも、いや、立つ事すら出来ない。
だんだん呼吸が苦しくなって来た。
日本から持って来た体温計のことを思い出して、体温を測ってみる。
39.2℃!
その後は、ただひたすら部屋を這い回りトイレとベットを往復し、
かいけパパの帰りを待つ。

水曜日・夕方
何とかかいけパパが帰ってきた。しかしかいけパパもしんどそう。
だけど、仕事が終わっていないのでまた仕事に戻ると言う。
「・・・お願いだから病院に連れて行って・・・」

そこから病院に電話。いろんな部署をたらいまわしにされた挙句、やっと
ERの看護婦さんにつながった模様。ほっ。
ところが、看護婦さんの質問は延々と続く!!!!!
「そんなの病院で聞いたらいいのに」と思うことを、細々といろいろ答えさせられている。
患者本人に代われといわれたと電話に出させられたが、そのころには
かいけママ口も利けないほどの状態。。。すぐにかいけパパに代わってもらう。
電話は多分30分ほどだったと思うのだが永遠に続くのかと思われた。

かいけパパの車まで廊下を這うように移動して、何とか出発!ほっ。
病院までの30分の道のりが、永遠のように感じられた。

水曜日・ER到着
やっとERに到着。何とか受付までたどり着き、順番を待つことに。
結構何人も待っている。しかし、かいけパパの電話のおかげか3番目くらいに呼ばれたらしい。

看護婦さんが血圧を測る。収縮期血圧が60台。看護婦さん間違えたと思ったらしく、
のんびりもう一回計り直している。やっぱり60台。体温も、やっぱり39℃以上ある。
そこからのんびり通り一遍の問診をする。こっちは呼吸が苦しく、口を利くと
はぁはぁと息が切れる。お願いだ、早く横にならせてくれ〜!治療してくれ〜!

やっと看護婦さんから解放され、治療室に移された。

水曜日・ER治療室
のんびりと看護婦さんがやってきた。
寒気のため布団に包まり、がたがたしているかいけママに、冷たく
「布団をかけるな。」
(体を冷やして熱を下げると言うことらしいです。)

採血の準備を始める。お腹が痛くて手や足を動かすと、厳しく
「動くな」
(こちらのナースは、日本のナースよりも注射は不器用?)

寒い寒いと訴えても、きっぱりと
「布団はかけてはだめ」
(風邪で熱があったら、冷水風呂に入るお国ですから。)

たっぷり血を採って行ってしまった。お国違えば・・・

次に来た別の看護婦さんは、
「保険は何か?」
「電話での相談料にいくら、治療費にいくらいくらお金がかかるがいいか?」
「この書類にサインしろ(何があっても訴訟しないと言うものらしいです;後日談)」
「遺書はあるか?(え?死ぬかもしれないの?私?)」
と、治療以前の話。呼吸が苦しく、体のミネラルのバランスも崩れて手足が硬直している
かいけママに向かって、書類を突き出す。それを書かないと治療がしてもらえないのだろう。
硬直した手で幼稚園児のような字で何とか自分の名前を書く。

お医者さんがやって来て診察をしてくれる。

次に来た看護婦さんがやっと点滴を始めてくれた。
は〜、これで助かった・・・
下痢が出たら、培養を出すので採ってくれと容器を差し出される。
しかし、そんな。かいけパパに部屋から出てもらって、何とか挑戦してみるが、
緊張して出るものも出ない。。。

あきらめて天を仰いでいたところに、さっきのお医者さんと別のお医者さんが来た。
How are you? んなもん具合が悪いに決まってんだろ〜!!!
診察をして行く。お腹が痛いところを二人で何度も押しては確かめてくれる。
これ、患者にとってはありがた迷惑?今までの悪行を反省してみる。

「あなたは24時間の観察が必要です。ERの中の別のユニットに移って
そこで観察を続けます。いいですか?」
そりゃ助けてくれるなら、もちろんよ〜っく看てやって下さい。

看護婦さんがやって来て、「ジンジャエールか飲むか?」と。
へ?ジンジャエール?激しく首を横に振ると、「氷は?」と。
うんうん。氷をもらってなめる。暑く渇いた口に気持ちがいい。
患者さんたち、よく氷を欲しがっていたのはこういう訳かぁ・・・

水曜日・ER観察室
ERの観察室にお引越し。かいけパパは、かいけもお熱を出したとの連絡で
かいけを預けていたお友達のところにかいけを迎えに行き、そのまま帰宅することにする。

観察室に一人取り残されたかいけママ。この夜も水様性下痢とただひたすら格闘する。
しかし、ポータブルトイレを設置してくれたので、移動はかなり楽。

あまりに勧められるので”ジンジャエール”をもらって飲んでみた。
意外や意外!吐き気がおさまり、口の中がさっぱりする。
炭酸もきついので、ちびりちびり飲んでいても気が抜けない。
「下痢にはジンジャエール♪」
これ、アメリカでは常識?

命の綱の点滴だが、これもアメリカンサイズ!1Lのバッグ。
よく見てみると、どうやら「生理的食塩水」がつながっている。
ま、血圧低かったしなぁ・・・でも、さっきからいったい何本点滴しているんだ?
一晩で4〜5リットルは生理的食塩水を点滴してた。
アメリカ人と体格違うんだけどなぁ・・・多い分には、ま、いっか。。。
それにしても、長い一日だった。

木曜日・朝〜夕方
なんと、朝食が配膳されている!!!
マフィン、ジュース、牛乳(!)、フルーツ。さすがアメリカ!

かいけパパが着替えを持ってきてくれる。かいけパパも調子はかなり悪そう。
かいけもぐったり元気が無い。 出された朝食を持って帰ってもらう。

この日も順調に”生理的食塩水”を点滴される。昨日から一日で6〜7リットルは入ってるぞ。
案の定朝の採血でカリウムが3.0だったとのことで、超どでかいカリウムの錠剤を呑まされる。
看護婦さんに
「アメリカにはカリウム入りの点滴は無いのか?」と聞いたら、
「医者が生理的食塩水を処方しているから・・・」とのお返事。
余分なことかもしれないけど、カリウムと糖分もちょこっと入れて欲しい・・・

熱があるからといって、イブプロフェン600mg を飲まされる。
しばらくして熱を測りに来て、まだ下がらないからと言って、
アセトアミノフェン1.0gをさらに飲まされる。
案の定血圧が下がり、点滴の速度が速まる。また生理食塩水地獄。
ま、熱が下がったからいいか・・・丈夫な腎臓でよかった。丈夫な心臓でよかった。

お昼ごはんも配膳しようとするから、下げてもらい、ひたすらジンジャエールをちびりちびり。
水様性下痢は相変わらず・・・
看護婦さんは、
「クラッカー食べる?スープは?ほかに欲しいジュースは無い?」いろいろ聞いてきてくれる。
アメリカだと、食べて治すのね・・・体力が違うかも。
だけど、アイスキャンディーを持ってきてくれたのはうれしかった!

日本だったら、すぐ抗生剤を処方するところだが、どうやらそんな薬は出ていないらしい。
看護婦さんに聞いてみたら、
「ウイルス性の兆候があり、細菌性の証拠は無い。だから、証拠が無い限り抗生剤は使わない。」
なるほど。そりゃそうだ。郷に入れば郷に従え。おっしゃるとおりにいたします。
それにしても、医者って何見て指示出してるんだろう?当番性みたいで、違う人が
たまに来るだけ。専門もばらばらなのかな?

アメリカではすぐに家に帰されると聞いていたのに、
夕方になっても、ちっとも「帰って良いよ」と言われない。
いい加減ちょっと帰りたくなってきて、看護婦さんに
「帰っちゃだめ?」と聞いたら、主治医に聞いてくれて、
「血圧が低いし、カリウムが低いからだめ。」だって。
仕方なく、かいけパパにもう一泊していくと連絡する。

木曜日・夜
夜の9時半になってきて、これまた初めて見る医師が現れ、「英語は分かるか?」と。
そうだ、確かに英語は良くわからない。でも、何か必死だから相手の言わんとしていることは
大体分かるし、こっちの必死の訴えは何となく通じていた。
何かややこしいこと聞くのかな?いやだなぁ〜。ちょっと身構える。

彼の言うことには、
「これ以上のとってもすばらしい治療は出来ない。だから、今から退院しよう。いいか?」と。
さっき、かいけパパに電話しちゃった手前、申し訳ないなぁ・・・
「明日の朝でもいい?」
「いや、今だ。」
まじかよ〜〜〜〜〜。さすがアメリカ。
仕方が無いので、かいけパパに電話してお迎えに来てもらう。かいけパパも相当しんどそう。
かいけも熱が下がらないらしい。ごめんよぉ〜!恨むならこの医師を恨んでね。

真夜中に退院!
処方箋をくれるが、薬でくれたほうが親切だなぁ〜としみじみ思う。だって、結局薬局には
買いに行かれなくて、薬にありつけなかったのですもの。
看護婦さんは、哀れに思ってくれたのか、クランベリージュース(下痢に良いらしい)、ジンジャエール、
クラッカーをお土産にどっさり持たせてくれた。
それから、血液培養では、何の菌も出なかったと教えてくれた。ほっ。

自宅に着いて体重計に乗ってみた。なんと、体重増加していました!恐るべし。
そういえば心なしかむくんでいる?

金曜日・土曜日・日曜日
金曜日は夏休みの旅行に出発する予定の日だった。しかし、とてもじゃないけど3人とも具合が悪く
出かけられる状況ではない。かいけも高熱が続き、ちっとも熱の下がる様子が無い。
肺炎か、腎盂腎炎か、中耳炎か?とにかく心配・・・

かいけパパもかいけママと基本的には同じ症状なのだが、基礎体力があるのか、食事も何とか食べられるし、
回復もかいけママより早いようだ。

旅行の本をぱらぱらと眺めながら、行った気分だけ味わう。ちょっと恨めしい。

そうそう、かいけパパが買っておいてくれたスポーツドリンクと、差し入れしていただいたスポーツドリンクと、
いろいろ並べて飲んでみた。なんて贅沢!
チェリー味;相性悪いみたい。さっぱりしない。
イチゴ味;悪くは無いんだけど・・・
オレンジ味;子供のとき飲んだ粉のジュースみたいで懐かしい。意外とヒット
レモン味;これが一番受け入れやすい味かな

月曜日
かいけの熱もやっと37℃台に落ち着いてきた。かいけパパは、朝から仕事に出かける。
かいけママはやっと熱が下がり、病院に受診した。

先日のERでの検査は全て陰性。どこからも細菌は検出されなかったと。
体幹部に水疱を伴う皮疹が散在していることを話したら。医師はこの水疱はウイルスのためと説明してくれる。
針でちくっとやぶり、中身をウイルス検査に出すとのこと。エンテロウイルスとアデノウイルスのチェックを
するらしい。本当にウイルス性だったんだ!何だか狐につままれたような変な感じ。食中毒じゃなくて良かった。
主婦としては、食中毒だとしたらショックだものね。

薬を処方してもらい、「後は良くなりますよ」と。
それからわざわざ、食べていいものの一覧を印刷してくれた。
1.米
2.トースト
3.バナナ
4.アップルソース
5.ジェロー(ゼリーの商品名)
6.水
7.処方された薬
水をたくさん、もっとたくさん、もっともっとたくさん飲むように念を押される。
今日の医師は親切な人だった・・・
診断名はウイルス性腸炎でした。

旅行・・・今からでも行けないかな・・・行きたいな・・・

この場を借りて、スポーツドリンクやアイスキャンディーを差し入れしてくださり、おかゆまで炊いていただいた
ゆみこさん、本当にお世話になりました。ここまで回復したのはゆみこさんのおかげです。ありがとうございました。
えつこさん、うどんと梅干の差し入れ、本当にありがとうございました。やはり日本人は、病気の時は
和食以外は受け付けません。助かりました!
その他、ご心配をおかけしたきよさま、かいけパパのバックアップをしていただいたけいじさま、本当にお世話になりました。
かいけママの職場の仲間のミンリー、わざわざERまで来て励ましてくれました。心強かったよ!
かいけ一家、皆が回復できたのは皆様のお力のおかげです。心より感謝申し上げます。
2004.08.16

後日談
保健所のようなところから手紙が来て、”サルモネラ”が検出されたと。
前日、前々日、3日前の食事まで聞かれる。それから、湖などで感染することもあるとのこと。
そういえば、湖に入ったけど、私は水には触れていない。。。
どれが原因かははっきりしないが、卵を使っているのは、パパの誕生日のワンタン!
そういえば、ワンタンなべにしながら、煮えたかどうだかかじったのに
半生のがあったかも???他は、どれも完璧に火を通している食事・・・
それ以来、卵は全て固ゆで。玉子焼きも、パサパサするまで焼いています。
卵も、安売りのではなく、ワンランク上のお高いけど保証書付きの卵に変えました。
恐るべしサルモネラ。